院長ブログ
2016年7月29日 金曜日
障害者差別禁止法
2014年1月日本は「障害者の権利に関する条約」を批准した。この条約では障害者に対するあらゆる差別を禁止すると明記されている。つまり、すべての日本国民は障害者を差別してはならないという法律なのである。国はまず、事業者に障害を理由に採用を拒否したり、障害を理由に配置転換したりしてはならないと厳しく指導をした。その結果、事業者が障害者を差別することはなくなった。しかし、個人では差別発言を繰り返している人が多数存在するのである。私の身近で言えば、グループホーム建設に反対していた一部の住民である。いまでも忘れもしない次のような発言である。「認知症高齢者と目か合うと気持ちがわるい」「外から認知症高齢者が見えると気味が悪いのでブラインドを下ろしておいてほしい」「グループホームは嫌悪施設に分類される」などであった。最近では、相模原の身障者施設で19人の方々が亡くなられた殺人事件があった。その犯人はやはり以前から障害者を差別する発言を繰り返していたのである。彼は「障害者が生き続けることは税金の無駄遣いであるから、親と話し合って安楽死させた方がいい」などと言っていた。もし、障害者差別禁止法に強力な強制力があって、彼が差別発言をした時点で逮捕できていれば、今回のような悲惨な事にはならなかったのではないだろうか。国はこの法律を強制力のあるものに改正し、差別発言をした時点で逮捕できるようにするべきではないだろうか。障害者の人権を軽んじる人たちに自分たちの人権を主張する資格はないと私は思う。
投稿者 あんのうらクリニック